看護学部講義でがん患者との向き合い方と「サバイバーシップ」を語る
本日、看護学部の講義に招待していただき、「がん患者との接し方とサバイバーシップについて」の講演とグループワークのコメンテーターを務めてきました。
患者経験者としての視点から、医療者としての知識と患者としての体験の両方の立場を踏まえた内容をお話しする貴重な機会となりました。
学生からの事前質問と講義内容
講義前に看護学生から寄せられた質問を分析したところ、計87件の質問が6つのカテゴリに整理されました。
これらの質問カテゴリそのものが、がん患者を支援する看護師に必要な視点を明確に示していました。
①闘病中の苦痛や困難について(19件)では、
「治療で最も辛かったことは何か」「入院生活での不安は」といった質問が集中。身体的・精神的な苦痛を理解することが、患者のニーズを把握する第一歩です。
②がんと診断された時の心境と周囲の変化について(13件)では、
「38歳という若さで白血病と診断された時の気持ちは」「家族の変化はあったか」などの質問から、診断直後の心理的衝撃と社会関係の変化への関心が高いことがわかります。
③闘病の支えとモチベーションについて(10件)では、
「心の支えになった言葉は」「治療中の楽しみは何だったか」という質問があり、患者がどのように困難を乗り越えるか、心理的サポートの重要性が浮き彫りになります。
④気持ちの切り替えと前向きな生き方について(19件)は
最も多いカテゴリです。「消極的な生き方からどうやって立ち直ったか」「がん経験でプラスになったことは」といった質問から、看護学生たちが患者の精神的回復プロセスに深く関心を持っていることがうかがえます。
⑤看護・ケアと医療者との関わりについて(10件)では、
「患者が自分らしく生きるために看護師はどのような関わりが大切か」「嬉しかった看護ケアは何か」という実践的な質問が寄せられました。これは学生たちが自分たちの役割と責任を強く認識していることを示しています。
⑥医療従事者としての視点と看護学生へのメッセージ(3件)では、
「患者側を経験して医療者としての考え方は変わったか」「看護学生のうちに知っておくべき患者の本音は」という質問が寄せられました。
TKI離脱症候群—旬の臨床トピック
講義では、私自身が経験したTKI(チロシンキナーゼ阻害薬)離脱症候群についても詳しくお話ししました。
これは白血病治療後、治療薬の中止に伴って起こる症状で、多くの患者が苦しむ現象です。
この最新の臨床課題を直接患者から聞くことで、学生たちは教科書だけでは学べない「患者の現実」を理解することができたと思います。
グループワークでの手応え
講演後のグループワークで学生たちの議論を見ていると、講義内容が確実に伝わっていることを実感しました。
学生たちが提示する事例や考察の中に、患者としての私の経験や医療者としての視点が反映されていたのです。
これは、講義の目的が達成できたということです。
がんサポ喫茶「止まり木」での実習連携
この講義を受けた看護学生たちは、来春、がんサポ喫茶「止まり木」での実習に参加することになります。
止まり木は、がん患者や家族が集い、支え合う場です。
講義で学んだ理論と患者の声が、実際の支援現場でどう生かされるか、その過程を見守ることができます。
再会が楽しみです。学生たちが患者さんたちとどのように関わり、どのような支援ができるようになるのか
—それを目の当たりにすることは、私自身にとっても大きな学びになるでしょう。
しあわせです。❤️ 感謝
講演・教育プログラムのご依頼について
看護学部や医学部の講義、医療従事者向け研修、患者支援団体主催のセミナーなど、
がん患者との向き合い方やサバイバーシップに関する講演のご依頼を承っています。
患者経験と医療者としての視点の両方から、実践的で心に届く講演をお届けします。
TKI離脱症候群などの最新の臨床課題についても対応可能です。


