オストメイト(人工肛門)は温泉に入れる? 他では聞けない「お風呂事情」と「トイレ問題」を当事者が解説
オストメイト(人工肛門・人工膀胱)になった時、日常生活の「当たり前」が大きく変わる不安があります。
特に、「お風呂はどうするの?」「温泉旅行はもう無理なの?」「外出先のトイレが不安」といった疑問は、デリケートな問題なだけに、他では聞きづらいものです。
この記事では、「がんサポ喫茶止まり木」に集うオストメイトの仲間(当事者)に、久田邦博が思い切って聞いた「リアルな“お風呂事情”と“トイレ問題”」について、その本音をご紹介します。
Q1. オストメイトは温泉や公衆浴場に入れる?
結論から言うと、**「多くのオストメイトが、温泉や公衆浴場を普通に楽しんでいる」**ことが分かりました。
もちろん、専用の装具や入浴用のシートを活用するなどの工夫はされていますが、彼らは「オストメイトだから」と臆することなく、気軽にお風呂屋さんや温泉に出かけているそうです。
「病気になったから」と人生の楽しみを諦める必要はありません。この記事を読んでいるオストメイトの皆様も、ぜひ一緒に「裸の付き合い」を楽しみましょう。
Q2. トイレで「オストメイトマーク」が認知されていない問題
お風呂よりも深刻な問題が、「公衆トイレでのトラブル」です。
オストメイトの方は、装具の交換や洗浄のために、車椅子マークの「多機能トイレ(オストメイト対応トイレ)」を利用する必要があります。
しかし、オストメイトは「内部障害」であるため、一見すると健常者と区別が付きません。 そのため、多機能トイレから出てきたところを他の方に見られ、「健康なのにズルをしている」と誤解されたり、心ない言葉をかけられたりするトラブルが実際に起きています。
私たちができること:内部障害への「正しい理解」
このトラブルの原因は、トイレの入り口に貼られている「オストメイトマーク」の認知度があまりにも低いことです。
あのマークは、「このトイレはオストメイトの方が使いますよ」という社会へのサインです。 この記事を読んだ皆様に、ぜひ「オストメイトマーク」の存在を知っていただき、多くの方に「内部障害で、あのトイレが必要な人がいるんだよ」と紹介してあげてください。それだけで、当事者の「生き辛さ」が一つ解消されます。
まとめ:「がんサポ喫茶止まり木」で本音を語り合おう
今回のような「聞きづらい話」は、一人で抱え込むと大きな悩みになります。
「がんサポ喫茶止まり木」では、オストメイトのことに限らず、がんサバイバーが日常生活で感じる様々な「生き辛さ」や「工夫」について、普段から当事者同士で本音を語り合っています。
がんサバイバーナビ【クニ坊チャンネル】(毎週金曜日更新)でも、こうした「当事者のリアルな声」を発信しています。
あなたの「聞きづらい悩み」、ここで話しませんか?
オストメイトの悩み、治療の不安、家族にも言えない本音。 一人で抱え込まず、「がんサポ喫茶止まり木」で私たちと“ゆるく”話しませんか? 患者さん、ご家族、医療従事者、どなたでも大歓迎です。
「当事者のリアルな声」を、研修や講演で届けます
「この記事のような“患者の本音”を、院内研修や市民講座で伝えてほしい」 久田邦博は、当事者コミュニティで得たリアルな声をもとに、医療者と患者の「心の溝」を埋める講演・研修を行っています。




