落ち込んでいる人を無理に引き上げない。サバイバー支援のプロが実践する「波長合わせ」の極意
「辛い」と言われた時、あなたならどう返しますか?
「頑張れ」と励ましますか?
それとも、ただ黙ってそばにいますか?
がん患者さんの就労支援などを行う「一般社団法人がんチャレンジャー」様のYouTubeチャンネル、
**『寄り添い方チャンネル』**にゲスト出演いたしました。
代表の花木裕介さんと共に、私が過去に受けた「良かった対応・嫌だった対応」や、
サバイバーとしての想いを語り合いました。
【動画】がん患者への「寄り添い方」体験談
動画の中では、私が告知直後の絶望(枯れる時期)にいた時、周囲の「励まし」が逆に苦しかった体験や、
一緒に海に潜るように「息継ぎ(励まし)」をせずに話を聴いてほしかった、
というエピソードをお話ししています。
【ブログ限定】私が実践している「プロの寄り添い方」
動画では時間の関係であまり触れられませんでしたが、
私が現在、がんピアサポーターや研修講師として**「支援する側」に立った時に、
何を意識しているか(技術論)**をここでお話しします。
精神論ではなく、**「非言語コミュニケーション」**を使った具体的な技術です。
1. 言葉ではなく「エネルギー」を読む
相手の言葉だけを聞いていては、本当の心には寄り添えません。
「大丈夫です」と言っていても、声のトーン、表情、姿勢はどうでしょうか?
私は常に、非言語的メッセージから「本当の感情」や「生きるエネルギーの状態」を読み取っています。
2. 「波長」を合わせ、一緒に落ちる
著書『死ぬまでに読んでおけ』でも触れましたが、
絶望の淵(枯れる時期)にいる方に対して、無理にポジティブな言葉で引き上げようとすることは逆効果です。
私は、相手が弱々しいメッセージを発している時は、
自分自身のエネルギー状態も意図的に落とし、相手の波長に同調させます。
無理して上昇させず、一緒に落ちていくのです。
これが「孤独感」を消す唯一の方法です。
3. 上昇気流を「非言語」で作る
決して「頑張れ」とは言いません。
相手の波長と完全に同調し、信頼関係(ラポール)が築けたと感じた瞬間から、
今度は私自身の波長をほんの少しずつ上げていきます。
言葉で励ますのではなく、私の表情、声の張り、まとう空気感(非言語)を明るくしていくのです。
すると、同調している相手の心も、自然とそれに釣られて徐々に浮上し始めます。
これが、プロが行う「寄り添い」と「導き」の技術です。
「がんサポ喫茶 止まり木」で起きていること
私が運営する「がんサポ喫茶 止まり木」では、グループ全体でこの現象が起きています。
誰かが落ち込んでいれば、みんなで静かに寄り添い、誰かが笑えば、その波長が伝播して全員が笑顔になる。
言葉を超えた「波長」の交流が、サバイバーの心を癒やし、生きる力を回復させています。
ぜひ一度、その空気を肌で感じに来てください。
日々が、きっと楽しくなりますよ。
しあわせです感謝
「心」を扱うプロフェッショナルの技術を
医療・介護の現場で「どう声をかければいいか分からない」と悩むスタッフ様へ。
言葉に頼らない、本質のコミュニケーション技術を研修でお伝えします。
また、心を整えたい当事者の方は、ぜひ「がんサポ喫茶」へお越しください。



