患者さんに「伝わる」プレゼンテーションスキルとは?【薬剤師研修】
「しっかり説明したはずなのに、患者さんが理解してくれない」
「専門用語を使わないようにしているが、うまく伝わらない」 「患者さんの不安を、逆に煽ってしまったかもしれない」
このような「説明(プレゼンテーション)」に関する悩みは、多くの薬剤師が抱えています。
この記事では、がんサバイバーとしての「患者視点」に基づき、患者さんの不安を解消し、
深い信頼関係を築くための「本当に伝わる」プレゼンテーションスキルについて解説します。
プレゼンとは「分かりやすく説明する技術」
薬剤師にとっての「プレゼンテーション」とは、学会発表のことではありません。
それは、薬局のカウンターで「目の前の患者さん一人ひとり」に対して行う服薬指導そのものす。
その目的は、単に情報を伝達することではなく、患者さんの不安を解消し、深い信頼関係(ラポール)を築き、
「この人の言うことなら信頼できる」と感じてもらうこと。そして、「この薬を正しく飲もう」という前向きな行動変容を促すことです。
この研修では、一方的に話す「説明」ではなく、相手の心に「伝わる」分かりやすい説明技術を学びます。
なぜ「患者視点」の言葉選びが重要なのか?
医療従事者(薬剤師)が日常的に使う言葉が、患者さんをどれほど不安にさせているか、ご存知でしょうか。
私自身、がんサバイバーとして「副作用」という言葉を聞くたびに、強い恐怖を感じてきました。
薬剤師にとっては「起こる可能性のある事象」という軽い言葉でも、患者にとっては
「命に関わる危険なこと」と、非常に重く受け止められてしまうのです。
医療者と患者の間には、言葉の重みに対する大きな「溝」があります。この溝を埋めない限り、
どんなに正しい説明も患者さんの心には届きません。
この研修では、まずこの「当たり前の違い」に気づくことから始めます。
研修で学ぶ「伝わる」3つの技術
1. 不安を生まない「言葉の言い換え」術
患者さんに不要な不安を与えない「言葉のオブラート」技術を学びます。
例えば、私ががんサバイバー仲間と実践しているのは、「副作用」という直接的な言葉を避け、「何か気になる症状が出たら、このお薬手帳のシールを見てくださいね」といった、安心感を優先する伝え方です。
不安を煽るのではなく、具体的な「対処法」をセットで伝えることで、患者さんは前向きに治療と向き合えます。
2. 専門用語を使わない説明
「専門用語を使わない」のは当然ですが、
重要なのは「患者さんの理解度やタイプに合わせる」ことです。
ロジカルな説明を好む方(DiSC®のCタイプなど)もいれば、難しい話は一切聞きたくないという方もいます。
相手の表情や反応を見ながら、言葉のレベル(難易度)を柔軟に調整し、
「中学生でも分かる言葉」で伝える技術を実践的に学びます。
3. 信頼関係(ラポール)を築く聴く姿勢
「伝わる」プレゼンの大前提は、「この人は私の話を真剣に聞いてくれる」という信頼関係(ラポール)です。
薬剤師が「説明する人」ではなく、「まず不安や疑問を何でも話せる人」になることが重要です。
患者さんの言葉を遮らず、最後まで「傾聴」する姿勢、不安を受け止める「受容」の態度こそが、
どんな説明技術よりも先に必要なスキルです。
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