人生会議は「死ぬ準備」ではなく「生きる作戦」だ。がんサバイバーが語るACPともしバナゲームの価値
「人生会議やACP(アドバンス・ケア・プランニング)は、本当に有意義なのだろうか?」
先日参加した「もしバナマイスタープログラム」で、このような本質的な問いが投げかけられました。
私の答えは、イエスです。 がんサバイバーとして「死」を隣に感じてきた経験から、
なぜこれらが重要なのか、私なりの定義と理由をお話しします。
1. 人生会議は「死に向かうプロセス(生き方)」を話し合うこと
私は、人生会議を単なる「死ぬための話し合い(ゴール)」ではなく、
**「死に向かうまでのプロセス(生き方)を話し合う場」**だと捉えています。
がん告知後の一年間、私は「死」というゴールばかりを見つめ、生きる力を失い彷徨うように過ごしていました。
しかしある日、**「死ぬまでは生きている」**という言葉が浮かびました 。
その瞬間から、意識が「死」から「生」へと切り替わりました。
実現したい事、やりたい事など、日々の過ごし方を充実させるようになり、
がんになる前よりもイキイキとし始めたのです。
たとえ死が身近に迫っていても、その瞬間までは生きています。
その時間をどう輝かせるかを話し合う「人生会議」は、間違いなく有意義です。
2. ACPは「最終段階の意思表示(逝き方)」
一方で、ACP(アドバンス・ケア・プランニング)は、
より具体的に「人生の最終段階の医療とケア」を決めておくことだというイメージを持っています。
データによると、約70%の方が、人生の最期に自分の意思を伝えられない状態になると言われています。
自分で伝えられないまま、望まない医療を受けたり、
会いたい人に会えなかったりするのは、あまりに大きな悔いが残ります。
それは、最期の瞬間に「自由」を奪われることと同じです。
代理人(家族や信頼できる人)に、自分の価値観をはっきりと伝えておくこと。
それが、自分らしいエンディングを守る唯一の方法です。
3. 「もしバナゲーム」が話し合いのドアを開ける
とはいえ、いきなり「死」について話すのは難しいものです。
そこで有効なのが、**「もしバナゲーム」**です。
「重病の時、誰にそばにいてほしい?」「痛みがないことと、意識がはっきりしていること、どっちが大事?」
シンプルな言葉で書かれたカードを選び取る(取捨選択する)プロセスを通じて、
自分でも気づいていなかった**「価値観の優先順位」**が可視化されます。
死は誰にでも平等に、そして予期せぬタイミングでやってきます 。
だからこそ、元気なうちに、ゲーム感覚で「人生を豊かにする話し合い」を始めてみませんか?
もしバナマイスターとして、仲間と共にこの温かい話し合いの場を広めていきます。
しあわせです感謝
「もしバナゲーム」で、大切な話し合いを始めませんか?
「ACPを普及させたいが、重い雰囲気にしたくない」 「楽しく、かつ真剣に、人生について語り合う場を作りたい」
そんな医療・介護施設、自治体、企業の皆様へ。
もしバナマイスターとして、カードを使ったワークショップのファシリテーションを行います。





