【講演録】笠井信輔アナと対談「死ぬまでは生きている」がん患者が感謝に変わる瞬間
2023年11月、認定NPO法人キャンサーネットジャパン主催「血液がんフォーラム」に、代表の久田邦博が登壇いたしました。
笠井信輔アナウンサーが司会を務める「血液がん患者の本音トーク」セッションにて、私(久田)は**『死ぬまでは生きている』**というテーマでお話しさせていただきました。
がん告知直後に「生きる屍」となった私が、なぜ「癌もキャリアの一つ」と捉え、誰よりも元気に活動できるようになったのか。この記事では、その核心となった**「22年間で悟ったこと」**について、当日の講演録(全文)と共に解説します。
イベント概要
血液がん患者の本音トーク 
司会 笠井 信輔 アナウンサー
血液がんフォーラム2023 開催概要
開催日 2023年11月18日(土)10:00~15:45 2023年11月19日(日) 10:00~16:45
場所 オンライン
主催 認定NPO法人キャンサーネットジャパン
共催
武田薬品工業株式会社(セッション共催) / BeiGene Japan 合同会社(セッション共催) / インサイト・バイオサイエンシズ・ジャパン合同会社(セッション共催) / NPO法人日本小児がん研究グループ(JCCG)(セッション共催) /
協賛
日本新薬株式会社
広告協賛
小野薬品工業株式会社 / ヤンセンファーマ株式会社 / アムジェン株式会社 / ファイザー株式会社 / 日本セルヴィエ株式会社 / アストラゼネカ株式会社 / BeiGene Japan合同会社 /
開催協力
サンブロードバンド株式会社 / hamapro / B-Works Marketing /
【講演録】死ぬまでは生きている:22年間で悟ったこと
しあわせです感謝グループ代表の久田邦博です。 今日は「死ぬまでは生きている」という、私が意識していることについてお話しします。
1. 「患者」から「感謝」へ:モヤモヤの濁点を消す方法
がん告知を受けると、多くの不安に包まれモヤモヤします。 このモヤモヤが消えると、「患者(かんじゃ)」の濁点が消えるかのように「感謝(かんしゃ)」に変わる方を、私は多く見てきました。
そのために重要なのは、「自分らしく生きる」ことに意識を向けることです。
私は2001年、38歳で罹患しました。当時4人の息子がおり、「長男が二十歳になるまで生きよう」と決め、そのために最適な治療法を医師と話し合い、自ら選び取りました。 この「治療を決めた」瞬間から、私の意識は「死」から「生きること」に変わったのです。
2. 「死ぬまでは生きている」と決めた瞬間
それでも自分に制限をかけて生きていた時、頭に降りてきた最大のメッセージが**「死ぬまでは生きている」**でした。
「死んでもいないのに、なぜ死んだように生きるんだ? 馬鹿らしい」 そう思い、命が短くなるなら、1日の充実度を思い切り上げてやろうと決めました。
さらに、研修講師のプロとして「この時代に僕がいた証を残したい」という夢を持った時、自分の中に再び力が湧き上がり、社内から社外へ、全国へと活動が広がり、4年前に独立を果たしました。
3. 「死の受容」が教えてくれたこと
ある日、10年生存を願ったちょうど10年目に、経験のない吐き気と冷や汗に襲われ「あ、死ぬんだ」と思いました。 命乞いをするのはおかしいと「感謝」して死を受け入れ、目を閉じました。
翌日、すっきり目覚めたことで「生かされた」と悟りましたが、この経験から**「自分らしく生きていれば、安らかな最後を迎えられる」**と、自分の生き方が間違っていなかったことを確信しました。
4. がんに「自分らしさ」まで奪われてはいけない
告知直後、私は「生きる屍」かと思うほどセルフイメージが下がりました。 しかし今は、「癌もキャリアの一つ」であり「社会に役立つレアな存在」として、誰よりも元気に活動しています。副作用は毎日あります。でも元気です。
何が変わったのか? **「気持ち(イメージ)」**だけです。
皆さんの心を折ったのは「癌」そのものではなく、「癌に対する自分自身のイメージ」です。 癌の正しい知識を持てば、自分らしく生きられるのです。
久田邦博の「哲学」に、さらに触れてみませんか?
今回お話しした「22年間の悟り」や「患者から感謝へ変わるプロセス」は、私が主宰するオンラインサロンや書籍で、さらに詳しくお伝えしています。
また、この**「当事者の哲学」**を、貴院のスタッフ教育や医療従事者向けの講演に取り入れたいとお考えの担当者様からのご相談もお待ちしております。
(1)まずは、気軽に「知る・話す」
→ オンラインサロン「がんサポ喫茶止まり木」を覗いてみる
→ 書籍『死ぬまでに読んでおけ』をチェックする
(2)「研修・講演」として導入する


