【講演録】医師・ケアマネら82名が参加。「ACP」を「ライフプランニング」に変える、がんサバイバーの多職種連携論
三重県伊勢地区で開催された、多職種研修会「つながり」に登壇いたしました。
会場には、医師、歯科医師、薬剤師、看護師、ケアマネジャー、社会福祉士など、
地域医療を支える82名の専門職が集結。
テーマは、「未来とつながるライフプランニング」。
医療・介護の連携において、私たちが目指すべきは単なる「情報共有」ではありません
。 患者さんの「人生(ライフ)」そのものを支えるために、どのような視点が必要なのか。
がんサバイバーであり医療経営士でもある私が、ビジネスの手法も交えて語りました。
1. 「緊急ではないが、重要なこと」を大切にする
医療現場は常に「第1象限(緊急で重要なこと)」に追われています。
急変対応、検査、手術…。もちろん、命を守るためには不可欠です。
しかし、私が提唱したのは**「第2象限(緊急ではないが、重要なこと)」**に光を当てることです。
家族との団欒
趣味の時間
将来の夢を語ること
人生会議(ACP)
これらは後回しにされがちですが、人生の豊かさ(QOL)そのものです。
多職種が連携して、患者さんがこの「第2象限」の時間を過ごせるように支えること。そ
れこそが、私たちの本来の役割ではないでしょうか。
2. ACPは「死に支度」ではなく「生き方会議」
(本文) アドバンス・ケア・プランニング(ACP)を、
「死ぬための準備」と捉えると、患者さんも医療者も辛くなります。
私は、**「ACP=ライフプランニング(生き方会議)」**だと定義しました。
最期までどう生きたいか、何を大切にしたいか。
「未来」とつながるために話し合うプロセスこそが、患者さんに生きる力を与えます。
3. 参加者(多職種)からの熱い感想
講演後のアンケートでは、職種の垣根を超えて、多くの共感の声をいただきました。
医師: 「『患者メガネ』の話にハッとさせられた。病気ではなく人を見る原点に戻れました」
ケアマネジャー: 「第2象限(QOL)を守るのが私の仕事だと、誇りを持てました」
薬剤師: 「サバイバーとしての言葉の重みが違いました。明日から患者さんへの声かけを変えます」
専門職同士が「技術」ではなく「想い」でつながった時、地域連携は最強のチームになります。
伊勢地区の皆様の「つながり」の熱さに、私自身もパワーをいただいた一日でした。
しあわせです感謝
「顔の見える関係」から「心が通う関係」へ
地域連携を形式的な会議で終わらせていませんか?
専門職たちが「何のために連携するのか(目的)」を共有し、
心に火をつける講演・ワークショップをご提案します。



