【医療接遇】結婚式直前のがん宣告。川畑翔平さんの事例から考える、マナーより大切な「QOLへの寄り添い」
【医療接遇】結婚式直前のがん宣告。
川畑翔平さんの事例から考える、マナーより大切な「QOLへの寄り添い」
私が運営する「がんサポ喫茶 止まり木」の常連客であり、
大切な仲間である川畑翔平さんの特集が、朝日新聞にて連載されています。
タイトルは、 『結婚式4カ月前、診断はがん 「幸せにします」の言葉が出てこない』
若くして、人生の絶頂とも言える時期にがんが見つかった彼の葛藤。 ぜひ、医療従事者の皆様にこそ読んでいただきたい内容です。
1. 「病気」は同じでも、「人生」は違う
川畑さんの記事を読むと、改めて気付かされることがあります。
それは、医学的に「がん」という疾患名やステージが同じであっても、
**「一人ひとり、全く異なった人生(背景)を歩んでいる」**という事実です。
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結婚を控えている人
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仕事で重要なプロジェクトを任された人
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小さな子どもがいる人
がんを治療することはもちろん最優先ですが、それと同じくらい、
**「がんになったことで生き方が変わってしまう苦しみ」**に寄り添うことが、
医療者には求められています。
2. 理解してから、理解される
患者さんのQOL(生活の質)を守るためには、まずその人の「人生」や「思い」を聴いてみないことには始まりません。
スティーブン・R・コヴィーの言葉に**「理解してから理解される」**とありますが、
これは医療現場でも鉄則です。
こちらの治療方針を理解してもらう前に、まず相手の苦しみを理解しようと努めること。
ここが抜けていると、どんなに正しい治療説明も、患者さんの心には届きません。
3. 医療接遇は「マナー」ではない
私は常々お伝えしていますが、医療接遇において、マナーよりも優先されるべきことがあります。
それは、美しいお辞儀や言葉遣いではなく、**「傷ついた相手に寄り添う心」**です。 人生の岐路に立たされた患者さんが、今どんな言葉を飲み込んでいるのか。その沈黙に耳を傾ける姿勢こそが、真の医療接遇だと私は信じています。
▼ 川畑翔平さんの連載記事はこちら(朝日新聞デジタル)
結婚式4カ月前、診断はがん 「幸せにします」の言葉が出てこない (※実際のURLをリンクしてください)
しあわせです❤感謝
患者が本当に求めている「接遇」とは?
マナー研修だけでは埋められない、患者と医療者の「温度差」。 がんサバイバーとしての私の経験をまとめた、こちらの記事もぜひ参考にしてください。


