有料老人ホームでの接遇研修で重きを置いたこととは?

【有料老人ホーム 接遇研修】マナーより大切な「5つの基本的欲求」。
入居者様の心を満たすケアの本質とは?

有料老人ホームでの接遇研修で重きを置いたこととは?

昨年から、人材育成に力を入れていらっしゃる介護施設様で、継続的に研修を担当させていただいています。

今週はオンラインにて、職員様向けの「接遇研修」を実施しました。

介護現場における接遇研修というと、「言葉遣い」や「お辞儀の角度」を想像されるかもしれません。

しかし、今回の研修で私が最も重きを置いたのは、そこではありません。

入居者様に対するケアの根幹に関わる、**「心理的なアプローチ」**です。

 


1. 「5つの基本的欲求」を意識する

研修で提示したスライドの核となるのが、選択理論心理学などで提唱される**「5つの基本的欲求」**です。

人間は年齢に関わらず、以下の欲求が満たされないと強い苦痛を感じます。

  1. 生存の欲求(安全に暮らしたい、睡眠・食欲)

  2. 愛・所属の欲求(愛されたい、大切にされたい)

  3. 力の欲求(認められたい、役に立ちたい)

  4. 自由の欲求(自分で決めたい、強制されたくない)

  5. 楽しみの欲求(新たな知識を得たい、笑いたい)

接遇とは、これらの欲求を満たすための「技術」なのです。

 

2. 接遇チェックリストと「欲求」を結びつける

研修では、従来の「接遇チェックリスト」の項目を、この5つの欲求と結びつけて考えていただきました。

  • 「居室に入る前にノックをする」

    • × 単なるマナーだからやる

    • ○ 入居者様の**「自由の欲求(プライバシー)」「力の欲求(縄張り)」**を尊重するためにやる

  • 「目を見て笑顔で挨拶する」

    • × 決まりだからやる

    • ○ 入居者様の**「愛・所属の欲求(私はここにいていいんだ)」**を満たすためにやる

このように意味づけを変えるだけで、スタッフの行動は劇的に変わります。

 

3. 大人は「目的」が腑に落ちないと動かない

成人学習(アンドラゴジー)の理論において、大人は「なぜそれをする必要があるのか」という目的を理解して

初めて、納得して実践に移すことができます。

「決まりだからやってください」では、現場は動きません。

「この接遇が、入居者様のこの苦しみ(満たされない欲求)を取り除くことになる」と理解できた時、

接遇は「やらされる仕事」から「やりたいケア」に変わります。

ぜひ、施設内でこの「5つの基本的欲求」を共通言語にし、

すべてのケアの目的をここに紐づける研修を組むことをお勧めします。

しあわせです感謝

スタッフの「やらされ感」をなくす研修を

マナーを教えても定着しないのは、スタッフが「なぜやるのか」を腹落ちしていないからかもしれません。

心理学と成人学習理論に基づいた、介護現場のための実践的な接遇研修をご提案します。

→ 【研修内容】介護職向け接遇・コミュニケーション研修の詳細

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