【講演録】看護管理者が涙した「患者の心」。愛知県看護管理研究会で語った、サバイバーシップと看護の原点

日々、組織のマネジメントや業務効率化に追われる看護管理者の皆様。
ふと、「患者さんの心に寄り添う」という看護の原点を見失いそうになることはありませんか?
2021年12月11日、愛知県看護管理研究会の講演会に登壇いたしました。
テーマは、「いのちに限りがあると気づいた時 ~何が起きて、何をすればいいか~」。
がんサバイバーとして「死」と向き合い、そこから立ち直った私の経験を通して、
看護師の皆様に「患者さんが本当に求めている関わり」をお伝えしました。
1. 患者は「患者」という役割だけではない
講演の中で特に強調したのは、**「ライフロール(人生の役割)」**の視点です 。
病院にいると、その人を「患者さん」としてしか見られなくなりがちです。
しかし、その人には「父親」「会社員」「息子」「夫」といった、社会での多様な役割があります。
がん告知は、それらの役割を奪い、「患者」という役割だけを肥大化させます。
これが苦しみ(スピリチュアルペイン)の正体です。
看護師さんが、その人の**「患者以外の役割(背景)」**に目を向け、尊重してくれた時、
患者は「自分は一人の人間なんだ」と尊厳を取り戻すことができます。
2. 絶望から回復する「3つの時期」
がん告知後の心の動きを、私は植物に例えて解説しました 。
枯れる時期(絶望): 徹底的に落ち込む時期。無理に励まさず、寄り添ってほしい。
根を張る時期(内省): 死と向き合い、生き方を問い直す時期。
新芽が出る時期(再生): 新たな目的を見つけ、動き出す時期。
目の前の患者さんが今どの時期にいるのか。それをアセスメントし、
時期に合わせた関わりをすることが、真の寄り添いです。
3. 参加者(看護管理者)の声
講演後のアンケートでは、管理職の皆様から胸を打つ感想を多数いただきました。
・「管理業務に必死で、患者さんに直接関わることが少なくなっていました。
『患者に寄り添う看護』を後輩に伝えなくてはならないという使命を思い出しました」
・「『自分がセルフイメージを曲げただけ』という言葉にジーンときました。
そう思って生きていけるような支援がしたいです」
・「患者としてではなく、どのような役割を担っている方なのかを考えながら寄り添っていきたい」
私の言葉が、皆様の「看護の魂」に再点火できたなら、これ以上の喜びはありません。
しあわせです感謝
スタッフが「看護の喜び」を思い出す研修を
忙しい現場で疲弊している看護師さんたちに、
「なぜ私は看護師になったのか」「患者さんのために何ができるか」を、
前向きに問い直す時間を作りませんか?
知識だけでなく、心に響く講演をご提案します。


