【企業向け講演録】がんになった従業員をどう支えるか? 「自分らしく働き続ける」ための両立支援のヒント

岐阜市民病院主催「事業場向け講演会」に登壇いたしました。

テーマは、「がんになった従業員が就労を継続するために ~がんと共に生きるコツ~」

会場には、地元企業の人事・労務担当者や産業医の方々が集まりました。

がんサバイバーであり、元製薬会社の人材育成部門にいた私だからこそ語れる、

「企業が知っておくべき両立支援のリアル」をお話ししました。


 

1. 「ぱっと散る」時代から「共存する」時代へ

 

昔のがんのイメージは「不治の病=退職」でした。

しかし、現代のがん治療(特に慢性骨髄性白血病など)は、

薬でコントロールしながら**「長く生きる(共存する)」**時代に変わっています。

治療を続けながら10年、20年と働き続けることが当たり前になりつつあります。

企業側に求められるのは、「辞めさせる(退職勧奨)」ことではなく、

「どうすれば戦力として維持できるか(就労継続)」を考えることです。

 

2. サバイバーの「働く意欲」を支えるもの

 

(本文) がん告知後、患者は「生存的欲求(生きたい)」だけでなく、

「所属欲求(社会と繋がっていたい)」「承認欲求(役に立ちたい)」という強い渇望を持ちます。

私自身、闘病中に**「後輩の中に生きた証を残したい」**という強烈なモチベーションで仕事に打ち込み、

結果として大きな成果を残すことができました。

「病気だから無理させないように」という過度な配慮は、

逆に本人の「承認欲求」を奪い、生きる力を削ぐことにもなりかねません。

 

3. 企業にお願いしたい「3つのサポート」

 

 講演では、当事者の立場から、企業様に以下の3点をお願いしました。

 

早期介入:

診断確定前(疑いの段階)から相談できる風土を作ってください。

就労に関する整理:

「何ができて、何ができないのか」を冷静に整理し、

過度な配慮ではなく「必要な配慮」を見極めてください。

働く目的の共有:

その人が「なぜ働きたいのか」を対話で引き出し、生きがいを支えてください。

 

治療と仕事の両立は、決して不可能ではありません。

企業と従業員が「対話」することで、がんはキャリアの終わりではなく、

新たな成長のきっかけにもなり得るのです。

しあわせです感謝

従業員の「がん離職」を防ぎたい企業様へ

 

「治療中の社員への接し方が分からない」 「制度はあるが、現場の理解が進まない」

そんな悩みを持つ企業様へ。

当事者の声と、人事・研修担当としての経験を融合させた、実践的な「両立支援セミナー」をご提案します。

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