なぜ「傾聴」は難しいのか? がんピアサポートや医療現場で役立つ「本当の聴き方」
「傾聴(けいちょう)スキル」——それは、人と関わる仕事において最も重要で、最も難しいスキルの一つです。
「相手の話をただ黙って聴けばいい」と思っていませんか?
実は、多くの人が「傾聴」を誤解しています。特にがんピアサポートや医療・介護の現場では、良かれと思った相槌や励まし、アドバイスが、逆に患者さんの口を閉ざしてしまうことが少なくありません。
この記事では、私自身が研修講師としてトレーニングを受け、がんサバイバー(当事者)として実践している「本当の傾聴スキル」について、具体的なコツを解説します。
研修講師が実践する「傾聴」3つの具体的なコツ
1. 「解決」しようとせず、「受容」する
患者さんや悩んでいる方が求めているのは、「解決策(アドバイス)」ではありません。多くの場合、彼らはただ、自分の不安や恐怖、悲しみといった「感情」を、そのまま受け止めてほしいのです。
「それは大変でしたね」(共感)と、「私ならこうします」(アドバイス)は全く違います。相手の話を評価・判断(ジャッジ)せず、**「あなたはそう感じているんですね」**と、鏡のように受け止めること。これが、相手が本音を話せる「安全な場」を作るための第一歩です。
2. 相手の「沈黙」を恐れない
会話が途切れ、「沈黙」が訪れると、支援者側が焦ってしまい、つい不要な質問や励ましの言葉を挟んでしまいがちです。
しかし、その「沈黙」こそ、相手が次に発するべき「大切な言葉」を探している時間なのです。
ここで焦らず、相手の沈黙に寄り添い、**「あなたの言葉を待っていますよ」**という姿勢(非言語)でゆったりと待つこと。これができるかどうかが、傾聴の上級者と初級者の決定的な違いです。
3. 「感情」の言葉を繰り返す(オウム返し)
相手の言ったことを繰り返す「オウム返し」は有名ですが、単に「出来事」を繰り返すだけでは不十分です。
(例×)「昨日、眠れなかったんですね」 (例○)「(眠れなくて)不安だったんですね」
このように、相手が口にした(あるいは口にしなかった)**「感情」**をこちらが言語化して返すことで、相手は「この人は、私の“気持ち”を分かってくれた」と深く感じ入ります。これが信頼関係(ラポール)の構築に直結します。
詳しくは動画をご覧ください(画像をクリック)
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今回ご紹介した「傾聴」は、患者さんとの信頼関係を築くための第一歩にすぎません。
久田邦博の「医療接遇研修」や「薬剤師研修」では、「傾聴」をベースにした、さらに高度なコミュニケーション技術(質問力、DiSC®理論、プレゼン技術など)を、当事者の視点から体系的に指導します。
チーム全体の「聴く力」を高め、患者満足度を向上させたいとお考えの担当者様は、ぜひお気軽にご相談ください。
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