国の政策から読み解く「薬剤師の未来」。マイナビ仕事研究フェアで語った、対人業務へのシフトと必須スキル
「薬剤師免許さえあれば一生安泰」 もしそう思っているなら、その認識は少し危険かもしれません。
マイナビ主催「薬学生のための仕事研究フェア(名古屋会場)」のオープニング講演に登壇いたしました。
テーマは、「これからの時代に求められる薬剤師像」。
社会保障制度の財政難や人口減少といった「国の現状」を直視し、その上でどのようなキャリアビジョンを描くべきか。
これから社会に出る薬学生たちに、厳しくも愛のあるメッセージを送りました。
1. 「調剤」から「対人」への急激なシフト
保健医療は、国の政策誘導によって大きく動きます。
財政構造の変化を見れば、これからの薬剤師に何が求められているかは明白です 。
これまでの薬剤師: 「対物業務(調剤・鑑査)」が中心
これからの薬剤師: 「対人業務(患者対応・地域連携)」が中心
「かかりつけ薬剤師」や「健康サポート薬局」といった制度は、まさにこのシフトを加速させるためのものです 。
ただ薬を渡すだけでなく、患者さんの生活背景まで踏み込んでサポートできる薬剤師しか、生き残れない時代が来ています。
2. 求められるのは「専門性 + コミュニケーション能力」
では、具体的にどんな力が必要なのでしょうか?
それは、高度な薬学的知識(専門性)に加え、
それを患者さんに分かりやすく伝え、行動変容を促す**「コミュニケーション能力」**です 。
服薬指導: 専門用語を使わず、患者さんの理解度に合わせて伝える技術
多職種連携: 医師やケアマネジャーに、薬学的視点から提案する力
これらは、座学だけでは身につきません。
学生のうちから、そして社会に出てからも、
「伝えるチカラ」を磨き続けることが、あなたのキャリアを守る最強の武器になります。
3. 「なりたい自分」を自分で描こう
未来は予測できませんが、ある程度の流れは読めます。
大切なのは、誰かに敷かれたレールを歩くのではなく、
**「自分はどんな薬剤師になりたいのか(Will)」**を自分で考え、自分で行動することです 。
「あなたに相談してよかった」 そう言われる薬剤師を目指して、
就職活動という大きな一歩を踏み出してください。
しあわせです感謝
学生の「キャリア観」を育てる講演を
「安定志向で、チャレンジ精神が足りない」 「現場の厳しさとやりがいを、学生のうちに知ってほしい」
そんな課題をお持ちの大学・教育機関様へ。 業界のリアルと、働くことの楽しさを伝えるキャリア講演をご提案します。


