「鉄は熱いうちに打て」新入社員研修にロールプレイが絶対に必要な理由|現場に出す前の“1ヶ月の覚悟”と育成論

「鉄は熱いうちに打て」新入社員研修にロールプレイが絶対に必要な理由|現場に出す前の“1ヶ月の覚悟”と育成論

「鉄は熱いうちに打て」 人材育成において、これほど真理を突いた言葉はありません。

仕事に対する期待と不安で熱くなっている入社直後の時期こそ、人は最も伸びます。

私は企業勤務時代から現在に至るまで、新入社員研修では常に**「徹底的なロールプレイ」**を中心に行ってきました。

なぜなら、詰め込まれた「知識」を、相手に伝わる「スキル」へと変換するには、実践の反復以外に近道はないからです。


現場に出す前の「1ヶ月」でプロに鍛え上げる

かつて私が担当していた新入社員研修(MR教育)では、約1ヶ月間、徹底的にロールプレイを行いました。

私のミッションは、集合研修で学んだ膨大な知識を整理させ、

**「顧客が受け取りやすいように説明できるスキル」**を身体に染み込ませることでした。

レベルに達しない者は現場に出さない

他の地区では「早く現場に慣れろ」と先輩との同行(OJT)を優先させていましたが、私はあえて逆を行きました。

「ある一定のレベルまで到達していない社員は、同行させない」 このルールを徹底しました。

基礎ができていない状態で現場に出ても、先輩の行動の意味が理解できず、

ただ後ろをついて回る「お客様」になってしまうからです。

逆に、ロールプレイで基礎を叩き込んでから送り出せば、客観的に先輩の技を観察・吸収でき、

的確な質問ができるため、成長スピードが段違いに早くなります。

ロールプレイ研修がもたらす3つの効果

私が実践してきたロールプレイ研修には、単なる練習以上の効果があります。

  1. 個別の課題把握と即時フィードバック

    • 「何が身についていて、何が不足しているか」が一目瞭然です。その場で指摘し、修正させることで、悪い癖がつく前に矯正できます。いきなり高い壁を登らせず、スモールステップで磨き上げていきます。

  2. 「集合知」による高質化・均一化

    • 一人のロールプレイに対し、他の受講者にもフィードバックを求めます。他人の良い点・悪い点を見ることで「セルフチェック能力」が育ちます。また、質問への回答をクラス全員で議論させることで、組織全体の知識レベルが均一化されます。

  3. 現場直結の「あるある」対応力

    • MR時代の日々の問い合わせ対応から、「よくある質問」や「社員なら答えて当然の質問」を投げかけます。これにより、マニュアル棒読みではない実践的な対応力が養われます。


14年目の定点観測:今年の新人薬剤師の傾向

昨日は、グループ病院の新規採用薬剤師に対する服薬指導ロールプレイ研修を担当しました。

今年で14年目。毎年同じ時期に行うため、新人の質の変化を感じ取る定点観測にもなっています。

今年の印象を一言で言えば、「良くも悪くもマイルド」

同期同士のフィードバックも波風を立てないよう無難に仕上げてくる、

そんな「優等生だが、殻を破りきれない」雰囲気を感じました。

これは現代の若者の特徴かもしれません。

しかし、ここで諦めてはいけません。

彼らの「マイルドさ」を受け止めつつ、いかに熱を入れ、プロとしての芯を通すか。

来年の研修企画メンバーとシェアし、カリキュラムを進化させていく予定です。


まとめ:研修企画でお悩みの方へ

新入社員研修を企画されている担当者様へ。

座学だけで終わらせず、ぜひ**「本気のロールプレイ研修」**を導入してください。

知識は武器ですが、使いこなせなければ意味がありません。

熱い思いを持っている彼らのポテンシャルを最大限に引き出すのは、最初の研修にかかっています。

鉄は熱いうちに打て!

しあわせです💖感謝


 

【企業・医療機関の研修担当者様へ】

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