【14年目の新人研修】「患者役」だからできるリアルなフィードバック|NHOグループ病院で伝えた対人業務の核心

【14年目の新人研修】「患者役」だからできるリアルなフィードバック|NHOグループ病院で伝えた対人業務の核心

 
新規採用薬剤師研修
 
 

今年も、NHO(国立病院機構)グループ病院での「新規採用薬剤師研修会」にて講師を務めさせていただきました。

この研修に関わって、今年でなんと14年目になります。

かつての運営事務局の方は定年退職されたり、各病院での要職に就かれたりしています。

そして感慨深いのは、「当時の受講者」が、現在は「事務局」として運営を支えていることです。

人が育ち、バトンが繋がれていく。14年という歴史の重みと尊さを肌で感じています。


あえて「リアル会場」へ向かう理由

配信会場は、自宅から徒歩10分の「マイホスピタル(私のかかりつけ病院)」です。

オンラインで自宅から参加することも技術的には可能です。

しかし、私はあえて会場へ向かいます(通院ではありませんよ笑)。

それは、リアル会場にいる受講生や運営仲間との**「阿吽(あうん)の呼吸」**こそが、

研修の熱量を高め、画面越しの受講者にも伝播すると信じているからです。

私の2つの役割。「講師」と「患者役」

この研修で私が担う役割は大きく2つあります。

① 自身の「患者心理」の開示

スライドタイトルの通り、

がんサバイバーとしての経験と、実際に薬局勤務で培った視点を交え、

「患者がいつ心を開くのか」「どうすれば信頼関係が築けるのか」というポイントを伝えます。

② ロールプレイの「患者役」

これがこの研修の最大の特徴です。

朝から受講生たちが検討してきた症例の仕上げとして、私が患者役となり服薬指導を受けます。

ここでは、以下の2つの視点からフィードバックを行います。

  1. 患者の立場として: 指導を受けた瞬間に「心の中でどう感じたか(安心したか、傷ついたか)」をリアルに伝える。

  2. 講師の立場として: 改善すべきポイントを具体的にアドバイスする。

マニュアル通りの対応ではなく、生身の感情の動きを体感してもらうこと。

これが実践力の向上に直結します。

対物から対人へ。求められるノンテクニカルスキル

これからの病院薬剤師は、調剤などの「対物業務」から、

チーム医療や患者ケアといった**「対人業務」**へシフトしていく割合が確実に高まります。

そこで重要になるのが、**「ノンテクニカルスキル(コミュニケーション、状況認識、連携力)」**です。

薬の知識(テクニカルスキル)があるのは大前提。

その上で、患者対応はもちろん、多職種と円滑に連携するためのスキルが不可欠です。

また、薬のことだけでなく「患者さんへの対応方法(人となり)」も含めて地域の薬局へ引き継ぐこと。

これこそが、中核病院薬剤師の役割であり、真の**「薬薬連携」**だと考えます。


まとめ:手間を惜しまない研修に敬意を

実践的なロールプレイ研修は、準備に時間と手間を要するため、近年は敬遠されがちです。

しかし、これを14年間継続して実施されているNHOグループの姿勢には、心から敬意を表します。

これほど教育体制が整っている環境です。

現在就活中の薬学生の皆さんは、進路の一つとしてNHOも視野に入れることを強くお勧めします。

しあわせです💖感謝


 

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