【薬局新人研修】患者の本音は「病気より私を見て」。白血病サバイバーが伝えた3つのプロ意識

【薬局新人研修】患者の本音は「病気より私を見て」。白血病サバイバーが伝えた3つのプロ意識

 
患者が語る新入社員研修レポート
 

先日登壇した「保険薬局新入社員研修」の受講者アンケートが届きました。

そこには、テクニック論ではなく、私が最も伝えたかった**「医療人としての在り方(マインドセット)」**が

深く浸透していることが記されており、感謝と共に拝読しました。

私は「元・企業教育担当」としての視点に加え、「いち患者(白血病サバイバー)」としての視点を持っています。

今回の研修で新入社員たちの心を動かしたのは、教科書の言葉ではなく、

私の実体験から来る「患者のリアルな本音」でした。

特に反響の大きかった3つのポイントを、レポートとして共有します。


1. 「病気」を見るな、「人」を見よ(アンコンシャスバイアス)

多くの新人がハッとしたのが、**「アンコンシャスバイアス(無意識の思い込み)」**についての話でした。

私は白血病サバイバーですが、毎日とても幸せで、他の方と何も変わらない暮らしをしています。

しかし、病名を伝えた途端、相手の態度が急変する経験を未だにします。

「白血病=かわいそうな人、配慮が必要な人」

その無意識のレッテルが、それまで自然だった会話をぎくしゃくさせ、壁を作ってしまうのです。

患者が求めているのは、過剰な配慮ではなく**「一人の人間としての普通の接し方」**です。

この気づきが、彼らの患者対応を大きく変える第一歩となりました。

2. 「理解してから理解される」の順序を守る

新人のうちは「何か良い説明をしなくては」と焦り、自分が話すことを優先しがちです。

そこで、フランクリン・コヴィー著『7つの習慣』における**「第5の習慣:まず理解に徹し、そして理解される」**を伝えました。

患者は何かしらの不安を抱えて薬局に来ます。

その気持ちや症状をしっかり**「聴く(理解する)」**ことなしに、

どれほど立派な服薬指導(説明)をしても、患者の心には届きません。

「まずは聴く」という順序の徹底が、信頼関係構築の鍵であることを理解してもらえました。

3. 「新人」は社内でしか通用しない言い訳

ここは少し厳しい視点ですが、最も重要なプロ意識についてです。

患者から見れば、目の前の薬剤師が今日入社した新人であろうと、ベテランであろうと関係ありません。

同じ「プロの医療従事者」として対応を求めます。

「新人だから」という甘えは、社内でしか通用しない理屈です。

前職で私が新入社員研修を担当していた際、

厳しく接したのも**「顧客に対し責任を果たせる状態」**で現場に送り出すためでした。

今回の受講生たちにも、その厳しさの裏にある愛情と責任の重さが、しっかりと心に響いたようです。


まとめ

アンケートを通じて、これからの地域医療を担う若手たちが「患者の心」に寄り添う覚悟を持ってくれたことを感じ、

とても幸せな気持ちになりました。

テクニックは後からついてきます。

まずは「心」を整えること。

それが選ばれる薬局への近道です。

素敵な研修レポートを頂けてしあわせです💖感謝


 

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