がん患者という「役割」に人生を支配されないために。サバイバーが実践する「しあわせの解釈」
「がんになっても、本当に楽しく生きられるのだろうか?」
NPO法人いずみの会主催のイベントに登壇いたしました。
テーマは、「がんになっても楽しく生きる方法 ~解釈次第で生き方は変わる~」。
私は白血病サバイバーとして、参加者の皆様に3つの問いを投げかけ、
心の持ち方(解釈)を変えることで人生がどう好転するかをお話ししました。
1. あなたにとって「がんに負ける」とは?
講演の冒頭、私は皆さんにこう問いかけました。
がんに負けるって、どういうことですか?
長く生きたいとは、あと何年ですか?3. がんが完治して得られることって何ですか?
私は、がんで亡くなることが「負け」だとは思いません。
私にとっての「負け」とは、がんの悪いイメージや恐怖によって、
自分らしく生きることを取り戻せないまま終わることです 。
もし死ぬことが負けなら、人は生まれた瞬間から敗北のために生きていることになってしまいます 。
そうではないはずです。
2. 「患者」という役割に支配されない
人生には様々な役割(ライフロール)があります。
父、母、会社員、友人…。
しかし、告知を受けた瞬間、「がん患者」という役割が一つ増えただけなのに、
その役割が肥大化し、他の全ての役割を飲み込んでしまうことがあります 。
私はこれを**「患者メガネをかける」**と呼んでいます 。
このメガネをかけていると、世界が暗く、不安にしか見えません。
重要なのは、自分は「患者」である以前に「生活者」であり「夢を追う人」であると思い出すこと。
「患者メガネ」を外し、本来の自分を取り戻すことが、楽しく生きる第一歩です。
3. 「利他」が遺伝子をONにする
楽しく生きるための科学的なヒントも紹介しました。
筑波大学名誉教授の村上和雄先生や、バイオテクノロジーの権威である杉本八郎博士の言葉です 。
「自分のためではなく、世のため人のためにアホになって打ち込んでいると、
神様が応援してくれる(遺伝子のスイッチが入る)」
私自身、自分の出世のためではなく、
「後輩のために」「家族のために」と生きる目的(誰かの役に立つこと)を変えた瞬間から、
不思議な力が湧いてきました。
がんになっても、人生は楽しめます。解釈ひとつで、世界は変えられるのです。
しあわせです感謝
患者会・市民講座に「希望」を届ける講演を
「暗い闘病記ではなく、前向きになれる話を聞きたい」
そんな患者さんやご家族のために、笑いと涙、そして科学的な視点も交えた「生きる力が湧く講演」をお届けします。



