【介護・医療研修】アンコンシャスバイアスが認知症ケアの質を下げる理由

「どうせ言っても分からないから」 「認知症だから、危ないから」

医療・介護の現場で、良かれと思って使ってしまう、その「決めつけ(バイアス)」。

それが「アンコンシャスバイアス(無意識の偏見)」であり、認知症の方の能力や尊厳を、無意識のうちに奪っている最大の原因かもしれません。

この記事では、なぜそのバイアスが生まれるのか、そしてケアの質を高めるために、どうすればその「無意識の壁」を克服できるのかを、研修のプロの視点から解説します。


 

アンコンシャスバイアスが認知症の人々への対応に与える影響

 

 アンコンシャスバイアスが最も強く表れるのが、「思考の停止」と「能力の過小評価」です。

「認知症だから、うまく話せないだろう」というバイアス(決めつけ)は、支援者が当事者の話を最後まで待たずに会話を遮ったり本人の代わりに家族にばかり話しかけるといった行動に繋がります。

これは、私自身ががんサバイバーとして体験した「患者本人を無視して、家族とだけ話が進められる」という疎外感と全く同じ構図です。

さらに深刻なのは、「危ないから」というバイアスによる過剰なケアです。

「失敗させないため」に支援者が先回りして何でもやってしまうと、当事者が「自分でできること(残存能力)」まで奪ってしまい、結果として認知症の進行を早めてしまうリスクすらあるのです。


 

アンコンシャスバイアスを克服する方法

 

 アンコンシャスバイアスは「無意識」なので、「気をつける」という根性論だけでは克服できません。

重要なのは「仕組み」で気づくことです。

1. 「自分ごと」としてバイアスに気づく

まずは「自分はバイアスを持っていない」という思い込みを捨てることです。

研修では「認知症の方を“子供扱い”する言葉を使っていないか?」など、具体的な事例(ワーク)を通して、自分の中の「無意識の偏見」に直面してもらいます。これは「悪いこと」ではなく、気づくことが第一歩です。

2. 相手を「属性」ではなく「個人」として見る

私たちは「認知症の人」と、つい“病名”で呼んでしまいます。

そうではなく、「〇〇さん(個人)が、たまたま認知症という特性と共に生きている」と捉え直すことが重要です。その人が持つ経験や、大切にしていること(価値観)に焦点を当てることで、「認知症だから」というバイアスは弱まります。

3. 「対話(ファシリテーション)」でチームのバイアスを顕在化する

最も効果的なのは、チーム(職場)で対話することです。

「私たちの施設では、認知症の方の“意見”をどれだけ聞いていただろうか?」 「“危ないから”という理由で、禁止していることは多すぎないか?」 こうした「当たり前」をあえて問い直す場を、私のような**ファシリテーター(対話促進者)**が介入して設定することで、チーム全体の「無意識の偏見」が「意識的な改善行動」へと変わっていくのです。

 

あなたのチームの「無意識」、対話で「意識」に変えませんか?

 

記事の最後にあるように、アンコンシャスバイアスは「知る」だけでは克服できません。 職場で「自分たちのことだ」と気づき、「対話」するワークショップが不可欠です。

久田邦博のファシリテーション研修は、医療・介護チームの「当たり前」や「決めつけ」を見直し、認知症の方へのケアの質を劇的に高める「気づき」を提供します。

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