医療接遇は「マナー」ではない。国立病院総合医学会で語った、患者が本当に求めている「本質的サービス」
第73回国立病院総合医学会(名古屋国際会議場)のランチョンセミナーにて、講師として登壇いたしました。
全国の国立病院から医師、看護師、薬剤師など多くの医療従事者が集まるこの学会で、
私が担当したテーマは、「患者の立場から ~接遇の真の意味を考える~」。
一般的な接遇マナー(挨拶や言葉遣い)を超えた、医療におけるコミュニケーションの本質について、
がんサバイバーとしての実体験を交えてお話ししました。
1. 「表層サービス」と「本質サービス」の違い
(本文) 多くの医療機関が「接遇向上」に取り組んでいますが、患者満足度が上がらないケースがあります。
それは、**「表層サービス(マナー)」**ばかりを磨いているからです。
表層サービス:
笑顔、言葉遣い、ユニフォーム、設備の綺麗さ
本質サービス:
安全性、確実性、公平性、そして**「私のことを理解してくれている」という信頼感**
どんなに笑顔が素敵でも、患者の不安(本質的ニーズ)に気づかない医療者は信頼されません。
本当の接遇とは、患者さんが言葉にできない不安や苦しみを察し、それに寄り添うこと(本質サービス)です。
2. リーチ・マイケルになって考える(視点の転換)
講演では、ラグビー日本代表のリーチ・マイケル選手の写真を出し、
**「相手になりきる」**ことの重要性を伝えました。
医療者が「医療者の視点」で良かれと思ってしたことが、
患者にとっては「大きなお世話」や「無神経」になることがあります。
一度、白衣を脱いで**「患者というユニフォーム(視点)」**を着てみる。
そうすれば、待ち時間の長さも、検査の説明不足も、全く違った景色(痛み)として見えてくるはずです。
3. シャンパンタワーの法則:まずは「自分」を満たす
最後に、医療従事者の皆様へエールを込めて**「シャンパンタワーの法則」**をお伝えしました。
一番上のグラスは「自分」、二段目は「家族」、三段目は「仲間」、そして四段目が「患者さん」です。
自分の心が枯渇している状態で、患者さんに優しくすることはできません。
まずは、医療者自身の心を「しあわせ」と「感謝」で満たしてください。
溢れ出たそのエネルギーこそが、最高の接遇となって患者さんに届きます。
学会という大きな舞台で、このようなメッセージをお伝えできたことに感謝いたします。
しあわせです感謝
学会レベルの「本質の接遇」を、貴院のスタッフへ
マナー講師による表面的な接遇研修ではなく、
医療の現場(本質)を知り尽くした講師による、魂の込もった講演です。
「スタッフのモチベーションを上げたい」 「患者満足度を本気で向上させたい」
そう願う医療機関様からのご相談をお待ちしています。




