新規採用薬剤師が最初に学ぶべき「患者視点」とは? サバイバー講師が教える5つの重要ポイント
「新人薬剤師に、知識や技術だけでなく“患者に寄り添う心”も学んでほしい」
研修担当者の皆様は、そうお考えではないでしょうか。
この記事では、先日行った「新規採用薬剤師研修」の内容をもとに、**がんサバイバー(当事者)**であり、薬剤師でもある私だからこそ伝えられる、**薬剤師がキャリアの最初に学ぶべき「5つの心構え」**を具体的に解説します。
先日、新規採用薬剤師研修で2時間半、ワークを組み込みながらサバイバーシップと、患者の立場でもある薬剤師として日々実践しながら感じている事を講義しました。
事前質問では細かく僕のことを調べてくれたようで深堀した内容もあり、知りたいことを聴けるということは集中力や満足度に影響を与えると感じています。
研修後に頂いた感想文から、僕が貢献できたことをAIに整理してもらいました。伝えたかったことが伝わっていて嬉しいです。
新規採用薬剤師が学ぶべき「5つの核心」
以下に、研修で学んだ重要なポイントをまとめます。
1. 「傾聴」と「質問」:患者の不安に寄り添う技術
患者さんは、常に何かしらの不安を抱えています。その不安に対し、「励ます」のではなく、まずは「傾聴」することが何よりも重要です。
講義中の「看護師さんが『やっぱり不安ですよね』と声をかけてくれた」というエピソードでも伝えた通り、**患者さんのことを知ろうとする「質問」**こそが共感の第一歩であり、信頼関係を築く基礎となります。
2. 「今を生きる」:薬剤師として、人としての心構え
「やりたいことを先延ばしにしない」「人生の満足度は、生存日数×日々の充実度で決まる」 これは、私自身が「がんサバイバー」として痛感してきた、人生の大切な教訓です。
薬剤師としてだけでなく、一人の人間として「今」を大切に生きる姿勢、そして「ポジティブな言葉でセルフイメージを上げていく」習慣が、患者さんへの対応にも必ず良い影響を与えます。
3. 「患者メガネ」:励ましより先に必要なこと
医療従事者と患者の間には、言葉の受け取り方や不安の大きさに、深い溝(ギャップ)があります。
私たちは無意識のうちに「アンコンシャスバイアス(無意識の偏見)」を持って患者さんに接してしまいがちです。常に**「患者メガネ(=患者さんの視点)」**をかけて接し、相手の視点を理解しようと努めることが、すべてのコミュニケーションの土台となります。
4. 「挑戦する姿勢」:失敗を恐れない
新人時代は、失敗はつきものです。しかし、失敗を恐れて「挑戦しない」ことこそが、最大の停滞を生みます。
何事も「挑戦しないと始まらない」というチャレンジ精神を持つことが、薬剤師としての成長に不可欠です。
5. 「医療者の役割」:最も相談しやすい存在であれ
患者さんが「誰かに話したい」と思った時、医療者(薬剤師)は最も身近で、最も相談しやすい存在であるべきです。
薬剤師として求められる社会的役割を自覚し、患者さんに対してアンコンシャスバイアスを持たず、いつでも「本音」を話してもらえるような信頼関係を築くこと。それが、私たちが目指すべき姿です。
「患者視点」を、貴院・貴局の新人研修の“柱”にしませんか?
知識や技術は入職後も学べます。しかし、患者さんに寄り添う「心構え(患者メガネ)」は、キャリアの最初に当事者の「生の声」から学ぶのが最も効果的です。
久田邦博が、サバイバーシップ(当事者経験)に基づき、薬剤師として本当に大切なことを伝えます。

